今年の夏もキミを想う…。
その言葉で、宮崎は肝試しの参加メンバーに何となく予想がついた。
そしてその次に続くであろう言葉も……。
「そういうわけだから宮崎、和果子ちゃんに連絡よろしく!」
またしても、予想は見事に的中した。
どうせ何を言っても無駄だと悟った宮崎は、とにもかくにも一緒にいるだけで室内の温度が上昇しそうな暑苦しい先輩を追い出したくて、力なく頷いて見せる。
「よし。じゃあ、またあとでね!宮崎。和果子ちゃんに連絡、忘れないでよ」
来た時同様、騒がしく家を出て行く足音が遠ざかるのを待ってから、宮崎は手紙をテーブルに、そして携帯を手に取って再び床に寝転がる。
深いため息と共にぼんやりと天井を見つめると、しばらくしてようやく顔の前に携帯を掲げ、のろのろと指を動かす。
メールが確かに送信されていくのを確認して、脱力したように床に両手を広げると、程なくして携帯が軽快なメロディを響かせた。
そのあまりの返事の速さに、また一つ、宮崎の口からため息がこぼれ落ちる。
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