今年の夏もキミを想う…。


「夏と言えばやっぱりー?」

「う、海……」

「スイカ」

「クーラー」


高知のノリノリな質問に、三者三様の答えが返ってくる。

もちろん、思い描いていた答えが返ってこなかった高知は、やや膨れていた。


「違うでしょ!そこは、肝試しでしょ!!」

「あっ、す……すいません」


高知の勢い込んだ訴えに、本当にわかっていなかった柚花は素直に謝り


「あたし的には、スイカかと」


意図的にそれを口にしなかった和果子は自分の回答を貫き


「日が落ちたのに、まだあっつい……」


とにかく心からの訴えだった宮崎は暑さにだれていた。

時刻はまもなく九時。
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