俺様ドクターに捕獲されました


今日は、お昼が遅めだったからかまだお腹も空いていない。それなら先にお風呂に入ってしまおうと、準備をしてバスルームに向かう。


身体を洗ってお気に入りのバスソルトを入れた浴槽に浸かり、今日佳乃さんに話したことを思い浮かべる。


おばちゃんが亡くなってから、彼のために自分ができることはなんだろうかとずっと考えていた。


その結果が、彼の病院に行く回数を増やすこと、だ。日常のケアにアロマを取り入れたいという正式な依頼を受け、看護師さんたちへの指導も頼まれているが、週に一度ではその時間もなかなかとれないのが現状だ。


自分がしてきたことの結果が出始めて、週一では足りなくなってきたというのも理由のひとつにある。病院に行く日を週三回に増やせば、もっと多くの患者さんに関わることもできるし、スタッフへの指導の時間も作れる。


それから、仕事が終わったあとに働いているスタッフにもトリートメントをできればと思っている。


いまだに冷たいスタッフもいるが、あの飲み会から莉乃を筆頭に何人か仲良くなった人たちがいる。これは、その人たちから要望をもらってことだ。


佳乃さんに相談していたのは、そのことについて。時期がきたら病院の専任スタッフとして働きたいと思っているから、いずれ店をやめることになるだろう。

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