俺様ドクターに捕獲されました
「優ちゃん、離れちゃヤダ。もっと、キス……」
「……っ。お前、かわいすぎるだろ」
普段の私なら絶対にしない積極的な行動に、低く呻いた彼が唇を塞いで私の身体をベッドに押し倒す。
貪るような荒々しいキスに、必死になって応える。唇と舌を食べられているような感覚に、頭が彼の色に染まっていく。
彼の手が服の裾から滑り込み肌をなでる。初めて感じるその感覚に身体が震えて、彼の身体にしがみついた。
「りい、かわいい。お前の肌、やばいな……」
「優ちゃん、もっと……」
もっとキスをしてほしい。もっと触れてほしい。心も身体も、全部彼のものにしてほしい。そうすれば、不安に思うことなんてないって安心できる気がする。
「りい、里衣子……」
低く掠れた声が、耳元に響く。何度も私の名前を呼びながら、熱を帯び始めた唇が首筋を滑り落ちていく。
「んっ、あっ。優ちゃん、優ちゃん」
負けじと彼の名前を呼ぶ私に、彼はまたキスをしてくれる。私の熱と溶け合った唇は、もう冷たくは感じない。
服の中で動いていた手が、私の胸に触れたときだった。突然鳴り響いた甲高い電子音に、ふたり同時にビクッとする。
小さくため息をついてポケットから携帯を出した彼の顔が険しくなる。