俺様ドクターに捕獲されました
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「わ! 優ちゃん、すごい! 夜景、すごく綺麗!」
婚姻届を提出し、レストランで食事をしたあとに彼が私を連れてきてくれたのは有名な一流ホテルだった。
部屋に入ると、すぐに目に飛び込んできた夜景に興奮して窓に張りつく私に、彼は笑いながらジャケットを脱いだ。
「そこに、そんなに食いついてくるとは思わなかった。夜景なら家からでも見えるだろ」
「そうだけど……。こういうところのって特別な感じがしない?」
「そうか? まあ、りいが喜んでるならいいけど。探検するか?」
「うん、する!」
そう返事をして、今いる部屋を見回した私はそこでハッとする。
夜景に夢中になっていて気づかなかったけど、なんか……この部屋、広くない?
扉がいくつもあるし、インテリアにも高級感がある。開放感のある天井を呆然としながら見上げている私に気がついた彼が、笑いながらジャケットを脱いだ。
「やっと気づいたか。かなり張り切ったんだけどな。ほら、こいよ。他の部屋も見たいだろう」
彼に手を引かれて、部屋の奥に進んでいく。ダイニングルームに、夜景の見える広いバスルーム。プライベートプールまでついていて、かなり豪華だ。