俺様ドクターに捕獲されました


足の裏は、健康状態がよく表れる場所だ。薄いピンク色が理想だが、貧血などエネルギー不足があると、白っぽく、血流が悪いと青紫になったりする。


彼の足は、全体に黄色と赤色が目立つ。黄色は、内臓の機能が低下してかなり疲労が溜まっている状態を表している。


その証拠に、ありとあらゆる内臓系の反射区には見事なシワ。首や肩の凝りもひどそう。そこの反射区は、赤くなっている。きっと、炎症や痛みがあるのだろう。


その顔を見れば、目の下にクマもできている。佳乃さんの言う通り、かなり疲れが溜まっていそうだ。


働き者の足というよりこれは……。


「……医者の不養生」

「あ?」


い、いけないつい本音が。ギロッと睨んできた彼から慌てて目を逸らして佳乃さんに渡されたオイルを手に取る。


「い、いえ。なんでも……。では、始めますね」


すでにブレンドしてあるそれを手にとって、足に馴染ませていく。にしても、本当にすごい足。


いいところの方が少ないんじゃないかな。なんか、すごくやりがいがあるかも。


「痛かったら言ってくださいね」


まずは、左足の腎臓の反射区から……と。そこから、膀胱、尿管。


足つぼマッサージをすると、身体の血行がよくなって老廃物が排泄が促進されるから。まずは排泄に関わる反射区を刺激していく。


そこから、心臓、僧帽筋……うわぁ、ゴリゴリだ。

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