俺様ドクターに捕獲されました
プラチナのハートの台座にダイヤモンドのついた、有名ブランドのネックレス。
目を剥くような値段だったが、彼にとってはそうでもなかったらしい。
一時の遊びでつける『首輪』に、そんな大金を使うなんてお金持ちの感覚はまったく理解できない。
ネックレス自体はかわいいし、シンプルで使いやすくデザインも気に入っているのだが、首輪だと思うと外したくてたまらない。
だけど、「ずっとつけていろよ」と命令されれば、十八年間という長い時間をかけてしっかり調教されている私はそれに逆らって外すこともできない。
まともに顔を合わせたのはその日だけで、あとはほぼすれ違いだ。
「癒せ」だなんていうから、なにをさせられるのかと身構えていたが、今のところそんな機会もない。
自分の家からより働いているサロンにずっと近いし、なによりもさすが高級マンション。住み心地が抜群にいい。
少し困ることはあるが、そんなことは小さなことだと思えるほどに快適で平穏な毎日を過ごしている。
明日は、木曜日。サロンは定休日で仕事は休みだ。今日は、お気に入りのバスソルトをお風呂にいれて入ろう。
無駄に広いバスルールはミストサウナやジェットバス、テレビまでついていて、そこはお風呂好きの私の一番のお気に入りの場所である。