パンドラ~隠された愛~
宮部はいつものスーツ姿ではなく、ジーパンにジャケットとカジュアルな服装に着替え「ほら、いくぞ」と伝えると車へと向かった。

車の窓に映る自分を見て、「あ、寝癖直してねぇや。まいっか。」と呟くと、
後ろから「寝癖がトレードマークなんでしょ?」と、日野がからかってくる。

「てか、何処に行きたいんだ?」


「太田のフォレストモールに行こ!イブだしセールやってるはず!」


フォレストモールとは洋服・雑貨・生活用品・食料品までなんでも揃った大型ショッピングモールの事だ。


「はいはい。仰せの通りに。」


宮部は父親の代から乗っている黒のセダンに乗り込みセルを回すと豪快な音を鳴らしながらエンジンがかかった。


もう20年以上は乗っているであろうこの車も、幸い大きなトラブルもなく乗れている。


さすが国産車といったところか。


外観も内装も時代を感じるが宮部は案外この車を気にいっているようだ。

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