パンドラ~隠された愛~
今まで何度も日野に買い替えを進められても、なんだかんだここまで乗り続けている。


「そういえば日野君と2人で遊ぶなんて久しぶりじゃないか?」


「そうですね。でも、ほぼいつも顔合わせてるんだしいつも遊んでいるようなもんでしょ?」


宮部は苦笑いを浮かべながら軽快に飛ばしていく。


「正月はどうすんだ?実家戻るん?」


日野の表情が一瞬曇る。


「実家には戻らないかな。どうせ行っても邪魔だろうし。」


「ん?あんまうまくいってないのか?お母さん再婚したんだろ?」


「……うちの事はいいのよ。その話はあんましたくない。」


なんだか車内が重い空気に包まれてしまい、宮部は自分の発言を悔やむように日野から顔を背けた。


数十秒沈黙が流れるなか車内のラジオだけが響いている。

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