パンドラ~隠された愛~
「あの、隆さんですよね?すみません。いつも母に迎えを頼んであるんですけど多分寝ちゃったみたいで来ないんです。もし、ご迷惑でなければ家まで送って頂けないですか?」


「ああ、そういう事か!びっくりしたわ。ほら、寒いし早く乗りな。」


宮部は助手席へと乗るように促す。


めぐみは2~3回頭を下げながら助手席に乗り「有難うございます」と言った。


「えっと、家はどこなのかな?」


「あ、家は駅前なので館林駅まで送って頂ければ助かります。」


宮部は「了解」と言い車を走らせた。


香水の香りだろうか、ほのかに甘い香りが宮部の鼻腔を刺激する。


「本当に隆さんが居てくれて助かりました。でも、どうしてこの時間にまだ駐車場に居たんですか?」


宮部は一瞬戸惑いながらも冷静さを装った。

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