いつか君と見たサクラはどこまでも
確かにあった幸せ
【桜井実華】
部屋の中には壁に飾ってある写真を眺めている望がいた。その背中はとても淋しそうに見えた。
「望……」
私が声をかけると、すぐに振り返って眉間にシワを寄せた。私を警戒しているようだ。
「ノックもなしに無言で入ってくるなんて最悪」
望は怒っていた。でもやっぱりどこか淋しそうだった。
確かにノックせずに入ったのは悪かった。けどそれに対して怒ってるようには見えなかった。何か別のことで怒っているみたいで。
「あのね、私望のこと何もわかってないの。だから教えて。何があったの?」
言ってくれるわけないと、ダメ元で聞いてみたが、望は「うん」と頷いて椅子に座った。
「ずっと誰にも言えなかったの」
部屋の中には壁に飾ってある写真を眺めている望がいた。その背中はとても淋しそうに見えた。
「望……」
私が声をかけると、すぐに振り返って眉間にシワを寄せた。私を警戒しているようだ。
「ノックもなしに無言で入ってくるなんて最悪」
望は怒っていた。でもやっぱりどこか淋しそうだった。
確かにノックせずに入ったのは悪かった。けどそれに対して怒ってるようには見えなかった。何か別のことで怒っているみたいで。
「あのね、私望のこと何もわかってないの。だから教えて。何があったの?」
言ってくれるわけないと、ダメ元で聞いてみたが、望は「うん」と頷いて椅子に座った。
「ずっと誰にも言えなかったの」