空高く、舞い上がれっ。
その次の日、昼休みの教室に輝空くんの姿が見えなかった。
教室にのぞきに来た商業科側の女の子たちも、数人しか残っていない輝空くんのグループを見て騒ぎ立てて廊下を歩き去って行く。
輝空くん、何かあったのかな?
不安げに焼きそばをつついていると、違うクラスの男の子が入り口のあたりで「あれー‼輝空たちはー?」と、残っていた男の子に尋ねている。
「あー、輝空たちなら逃げたよ」
聞こえてきたその言葉に、焼きそばを口に運んだちょうどその時思わず手を止めた。
それから、ずっと後になってからの話。
あの時は、むちゃくちゃヤキモチ妬いてたんだぞ‼と、懐かし話をした時に……
「気づいてたよ」と、ニシシッと笑った輝空くんは憎たらしいけど太陽みたいだと思った。
元気なオレンジも、意地悪な赤も、まっすぐな白も。全部、ぜんぶ輝空くんなんだ。
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