空高く、舞い上がれっ。
正直、興奮した寧音の説明は意味が読みとりづらかった。

まぁ簡単に要約すれば、寧音がいつも近くの男としゃべっているところをクラスの誰かがチクったため、また男をたぶらかしてんの?という感じに尊が怒っている。
……と、言いたかったんだと思う。

「隣の人と話すなとか無理じゃない!?」

「確かに無理だね。でもそれだけ尊は寧音が好きってことなんじゃない?」

「でも~、尋常じゃないからうざい‼」

だから当分は尊なんて無視、メールも送らない‼そう言い放った寧音の苛立ちは相当すごかった。

寧音と尊は、見てる人の方が照れてしまいそうなくらいの超バカップルの部類だ。ただ、こんな喧嘩が日常茶飯事。

寧音達の幸せそうな付き合いは好きだし憧れだけど、尊がもう少し我慢をすれば寧音も反論を押さえれば喧嘩なんて起こらないのに……
いつもそう思っていた。


「歩舞はいいよね、輝空くん優しいから」

「え……あ、まぁね」

やっぱあたしも球児な彼氏がいい~。と、冗談混じりの寧音。

そういえば……輝空は、わたしのことで嫉妬したこと……あるのかな?
ふと、疑問が浮かんだ。
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