空高く、舞い上がれっ。
廊下はホームルームを終えて記念撮影をする生徒たちで溢れていた。
「元気でなー」
ドアを抜ける時、わたしの肩をポンと叩いたこの男は春から料理の専門学校に通う。
「尊も元気でね」
寧音は保育士になるため短大へ。
咲は美容師になって、いつか直央と一緒にお店を開くため県内の専門学校へ……
みんな夢へ向かって、もう歩き出している。
ボロボロのスクールカバン。だいぶ黒くなった上履き。たくさんの色を見せてきた窓。黒板に残ったラクガキの跡は何度黒板消しをかけても消えないまま。
購買のハンバーグ弁当。走り回ったグラウンド。大好きな友達に貰った捨てられない手紙も、着慣れた制服も。
他人から見たらたいした物ではないかもしれないけれど、わたしにとっては大切なんだ。
寧音と咲のいる場所まで狭い廊下を歩く時、委員長の背中を見た。サヨナラを言いたかったけど、なぜか声が出なかった。
「なにしてんのー?歩舞‼」
遠くにいた寧音がわたしを呼ぶ。
なんだか最後な感じは不思議としないんだ。
「元気でなー」
ドアを抜ける時、わたしの肩をポンと叩いたこの男は春から料理の専門学校に通う。
「尊も元気でね」
寧音は保育士になるため短大へ。
咲は美容師になって、いつか直央と一緒にお店を開くため県内の専門学校へ……
みんな夢へ向かって、もう歩き出している。
ボロボロのスクールカバン。だいぶ黒くなった上履き。たくさんの色を見せてきた窓。黒板に残ったラクガキの跡は何度黒板消しをかけても消えないまま。
購買のハンバーグ弁当。走り回ったグラウンド。大好きな友達に貰った捨てられない手紙も、着慣れた制服も。
他人から見たらたいした物ではないかもしれないけれど、わたしにとっては大切なんだ。
寧音と咲のいる場所まで狭い廊下を歩く時、委員長の背中を見た。サヨナラを言いたかったけど、なぜか声が出なかった。
「なにしてんのー?歩舞‼」
遠くにいた寧音がわたしを呼ぶ。
なんだか最後な感じは不思議としないんだ。