空高く、舞い上がれっ。
「はいはい、無理だからねー、我慢しなさい。ほらソフトクリーム描いてあげるから」

白く曇った窓に人差し指でソフトクリームのイタズラ書きを描いた。

「いや、それ違うじゃん!」

全然違うしぃ~。と、言いながら笑う莉華を尻目に、わたしはその絵の横に“スマホとられた莉華♪”と書き足した。
もぉーっ‼と、莉華が怒って大げさに手で絵を消す。
その時、外にいる輝空くんが見えた。

「あ!ピカチャンだっっ」

いたずら書きを消した所から外を見た莉華が叫ぶ。

ピカチャン?

「だれそれ?ピカチャンって?」

「静かにして‼誰かに聞かれたらどーするのぉーっっ」

わたしが聞くとすぐさま目を輝かせる莉華。わたしにしがみつきチラチラと外を見ている。

……ピカチャン。
変な名前と、思いながらわたしも外を見ていた。
輝空くんは数人の友達と雪合戦をしているようだ。

少しして他のみんながバスへ戻ってきた。
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