空高く、舞い上がれっ。
みんなではしゃぎながら過ごしているうちに、バスはスキー場の近くの宿舎に到着した。

「さっぶぅぅぅ~~~~っ‼わたしらに死ねと!?」

バスから一歩外へ出ると一気に体温が奪われわたしは縮こまった。

「香山ー、死んでいいからとっとと早く荷物運べっ」

「ちょっと堀田ちゃん、ティーチャー失格‼担任なら優しい言葉の一言くらいかけなきゃ彼女に振られるよ」

「彼女は俺にゾッコンだからいいの」

そう言って、縮こまっているわたしを前に押し出す。このノロケおやじっ。

部屋長だったわたしはまず、みんなより先に荷物を持ってロビーに集合して鍵の取り扱いの説明をうけた。
スキー教室の部屋割りは出席番号順で、部屋長はジャンケンで決めたけど……グーなんて出さなければよかったといまさら後悔。

班の子達に指示を出して荷物を部屋に置いてから、ウェアに着替えて宿舎から歩いてすぐにあるスキー場に向かった。
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