空高く、舞い上がれっ。
「あ‼侑里、それいいねー♪そうしよっかなっ。スマホにつけてくれるかなっ」

お土産売場でしばらく話し込んでいたら担任の堀田ちゃんに見つかり部屋に強制送還された。

お揃いのスマホピアスかぁ……ちょっと憧れるなぁ。もし、輝空くんに渡したら付けてくれるかな?なんて、ちょっと想像してみた。



大浴場は広くて外には露天風呂があったけど、先輩達からの言い伝えでどこかの部屋にのぞきポイントがあるらしく誰も使用しなかった。

未和と一緒にお風呂場を出た時、ちょうど隣の男子風呂から男子の軍団が出てきた。
その中に輝空くんがいたけど、友達との話に夢中でわたしに気付いてはいない。代わりに軍団の後ろにいた尊がわたしに気付いた。

「あ‼」

わたしの顔を見て何かを思い出した様子。

「まぁ、待ってろよ♪じゃーな~」

「へ?」

わたしの肩をポンポンと叩いて、一言だけを言い残し去っていく。
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