空高く、舞い上がれっ。
「ずっと肝心なこと言わなくてごめん。俺、これから頑張るから‼……甲子園。
甲子園絶対に連れて行くから見てろな?」
“甲子園に連れて行く”
自信たっぷりな言葉をわたしに向けてくれる。大切な響きに感じた。
あの窓から宿舎の中へ戻る時、輝空くんは部屋の前まで送ってくれて。『バイバイ』と、小声で手を振ると『じゃあな』と、小さく返してくれた。
わたしがドアに手を伸ばそうとした時。
「歩舞」
呼ばれて振り返ると、輝空くんはポケットに手を入れて立っていた。
「どうしたの?」
「ん…………いや……」
輝空くんは少し下を向いて頭をカシカシとかく。
「やっぱなんでもない。腹出して寝るなよ‼」
そう言って笑う輝空くんに、意味わからないからっ。と、わたしも笑った。
部屋のドアをそっとあけると、寝息が聞こえる。みんな寝ていた。
わたしは自分の布団にもぐり込んで、さっきまでの出来事を思い返しながら眠りについた。
夢の中で、雪だるまの親子が仲良く暮らしていて。手をつないで幸せそうに歩いていた──……
甲子園絶対に連れて行くから見てろな?」
“甲子園に連れて行く”
自信たっぷりな言葉をわたしに向けてくれる。大切な響きに感じた。
あの窓から宿舎の中へ戻る時、輝空くんは部屋の前まで送ってくれて。『バイバイ』と、小声で手を振ると『じゃあな』と、小さく返してくれた。
わたしがドアに手を伸ばそうとした時。
「歩舞」
呼ばれて振り返ると、輝空くんはポケットに手を入れて立っていた。
「どうしたの?」
「ん…………いや……」
輝空くんは少し下を向いて頭をカシカシとかく。
「やっぱなんでもない。腹出して寝るなよ‼」
そう言って笑う輝空くんに、意味わからないからっ。と、わたしも笑った。
部屋のドアをそっとあけると、寝息が聞こえる。みんな寝ていた。
わたしは自分の布団にもぐり込んで、さっきまでの出来事を思い返しながら眠りについた。
夢の中で、雪だるまの親子が仲良く暮らしていて。手をつないで幸せそうに歩いていた──……