空高く、舞い上がれっ。
その日は午前中にスキーのテストをして、ご飯を食べてから午後は自由行動。

正直、スキーに飽きてしまったわたしは寧音と別れて一人で控え室で休んでいた。
暖房が利いていて暖かい。椅子に座ってスキーのブーツを脱ぐと、開放感と同時に疲れがグッと来た。

「あ、歩舞じゃん。さぼってんなよー」

控え室に入ってきた侑里と未和。
自動販売機でジュースを買って三人で集合時間まで待機していることにした。三人で飲んだココアは甘くて体がホカホカする。



集合時間になって重たい荷物をバスに詰め込み、帰路へ。隣の席に座っている莉華は寝ていた。

ひとり、窓から見える景色を見ながら輝空くんのことをぼんやりと思う。
この数日間でわたしの心に残ったものがあるように、輝空くんの中にも何か残るものはあるのかな……

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