空高く、舞い上がれっ。
「考えすぎじゃない?」
中庭のベンチに座って、ハンバーグ弁当のニンジンを横にわけながら答える寧音。
「そうかなぁ……わたし、一度マイナスに考え出すとどんどん気持ちが下がるんだよね……」
なんだか莉華に話しかけづらい空気だよ……。
言葉にしたらため息が出てしまった。
「気になるなら直接聞いてみなよ?」
「うーん……」
でも、なんて聞くの?と、寧音に尋ねると……うーん……と、考え込んでしまった。
とりあえず口いっぱいにハンバーグを頬張る寧音。
“あ、ニンジンあげる”
“いらない、ちゃんと食べろー”
そんな会話をしていると横から尊が割り込んできた。
「寧音‼ニンジン好きなの?俺のもやるよー♪」
寧音の弁当のすみの山積みされているニンジンが追加される。ムキャー‼と、叫ぶ寧音。その横で大きく笑うわたし。
「そんな喜ぶなよー♪なに?もっと欲しいって?」
いやがる寧音にニヤニヤ笑いの尊。