空高く、舞い上がれっ。
困った……話し合おうと決意はしていたけど何も考えていなかった。
ムスッとした顔をしている莉華の捜し物をしている手が止まる。

「あたしに何か文句あったんじゃないの!?」

その挑発的な態度にわたしの口から言葉が漏れた。

「……そっちこそ文句あるなら直接言いなよ‼なんでわたしのことシカトするかな!?」

わたしの言葉に火がついたように、わたしを睨んで莉華が続く。

「はぁ?逆ギレとかありえないんですけど。被害者ぶってんの?あたし、シカトした覚えないからぁー‼
マジムカつく……帰っていい?」

「最近わたしが呼んでも無視してたじゃん‼何、都合悪くなったら帰るの?」

苛立ちにのせた暴言。
なぜ挑発的な言葉を並べてしまうのか……
わたしはこんな言葉が言いたかったんじゃないのに……でも、止められなかった。

気持ちの爆発、長い討論、罵倒。
その末に、莉華は爆発の熱を冷ます水をわたしにかけた。

「裏切ったくせに……‼」

裏切った……
この一言が一瞬でわたしの熱を奪い取り、絶対零度の世界に突き落とした。
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