空高く、舞い上がれっ。
「スキー教室の時は……素直になれなくて……でも、これがわたしのほんとの気持ちだよ。隠しててごめん……」
莉華は言い返してこない。
言葉がうまく選べない。
それでも、今伝えなければ二度とわたしは笑えないような気がした。
「莉華に見せ付けようなんて思った事、一度もない。それだけは……」
信じて……‼
ずいぶんと時間の流れが遅く感じた。
何も言わずローファーをはき始めた莉華の姿を、わたしはただ見つめていた。
そのまま、莉華は振り向かずに歩き出し去ってゆく。
苦しくて、わたしは下を向いた。
もうだめなのかな……こんなことで、わたしは莉華と仲悪くなんてなりたくない──……
「最初に、ちゃんと言ってほしかった……」
「え……?」
不意打ちのような小さな声。
こんな小さい莉華の後ろ姿は初めてだ。
「ピカチャンのこと、好きなら……そう言えばよかったじゃん……」
「ごめん……」
さっきまでの燃え盛る炎は、いつのまに消火されたのか。静かな玄関では、莉華の喋る一文字一文字が響いて聞こえる。
「……あたしは、応援しないから。絶対‼」
「……わかってる」
それから莉華は、一度も振り返らず帰っていった。
わたしが伝えたかったこと言いたかったことはたくさんあった。けれど、わたしが言った言葉はその十分の1にも満たなかった。莉華にはどのくらい伝わったのだろう。
莉華は言い返してこない。
言葉がうまく選べない。
それでも、今伝えなければ二度とわたしは笑えないような気がした。
「莉華に見せ付けようなんて思った事、一度もない。それだけは……」
信じて……‼
ずいぶんと時間の流れが遅く感じた。
何も言わずローファーをはき始めた莉華の姿を、わたしはただ見つめていた。
そのまま、莉華は振り向かずに歩き出し去ってゆく。
苦しくて、わたしは下を向いた。
もうだめなのかな……こんなことで、わたしは莉華と仲悪くなんてなりたくない──……
「最初に、ちゃんと言ってほしかった……」
「え……?」
不意打ちのような小さな声。
こんな小さい莉華の後ろ姿は初めてだ。
「ピカチャンのこと、好きなら……そう言えばよかったじゃん……」
「ごめん……」
さっきまでの燃え盛る炎は、いつのまに消火されたのか。静かな玄関では、莉華の喋る一文字一文字が響いて聞こえる。
「……あたしは、応援しないから。絶対‼」
「……わかってる」
それから莉華は、一度も振り返らず帰っていった。
わたしが伝えたかったこと言いたかったことはたくさんあった。けれど、わたしが言った言葉はその十分の1にも満たなかった。莉華にはどのくらい伝わったのだろう。