空高く、舞い上がれっ。
「おーい、早く自分の出席番号あたってるやつは出てきて答え書けぇ」

ぼやけた意識。
どうやらわたしは授業中に寝ていたらしい。

立ち歩き、プリントを見せ合っているクラスメイト達。何度も、静かにしろ‼とさわぐ英語教師。
わたしの思考回路は、ストライキ中。

「歩ちゃんの番号あたってるよー、宿題やってきた?」

宿題?
あぁ……昨日のプリント……

あ。やっと頭が動き始めた。
そういえば昨日、プリントが見つからないまま帰ってしまっていた。

「おい、この番号だれだぁ!?
ん?歩舞‼早く書きにこい‼顧問の先生に言うぞ」

顧問、関係ないじゃん。と、あえてグチグチ言わずにプリントはないが黒板へ向かう。

まいった……英語だけは出来る方だけど、問題がわからないとオハナシにならない……

──…‥!?
ふと、背後から体を引っ張られる感覚が襲う。わたしに向かって伸びた手は制服を掴んでいる。

「はい」

時間が止まっているような気がした。
手渡されたプリントのあまり埋まっていない回答は、莉華の独特な丸い字で書かれている。
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