空高く、舞い上がれっ。
長袖の制服に腕を通して紺色のスクールカバンを持つ。

「忘れ物ない?鍵閉めるよー」

みんなで部室を出て校舎へ向かう。玄関に近づくにつれて、あたりのザワザワとした声が聞こえてきた。


「あ!歩舞っ‼おはよー」

寧音はわたしの姿を見るなり上機嫌で飛びついてきた。勢いに押され、わたしは手に持っていたカバンを落とす。

「なによーっびっくりした‼」

ごめーん、と手を合わせて謝る寧音。

「だって同じクラスなんだもん♪チョー嬉しい‼」

「え!?そうなの‼」

寧音は手を合わせて喜んだ。

クラス分け表は玄関の窓ガラスに張り出されている。表のあたりは人であふれていてなかなか近づけない。
寧音の話によるとわたし達は2年2組のようだ。

『中学2年の時も2組だったなぁ』

新しい下駄箱にローファーを入れる。今朝も、丹念に磨いたこともあってきれいな黒光りをしている。
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