空高く、舞い上がれっ。
ホームルームが始まる前に教室に戻り、寧音と後ろの窓から顔を出していた
“あんな人、同じ学年にいたんだ”
“知らない人いっぱいだね”
そう話していると、近くにいた女の子たちが名前なんていうの?と声をかけてきた。

今日はなんだか気持ちが高くなっているのか、ちょっとした会話がいつもより楽しく感じる。

盛り上がったころに、新担任が顔を出した。出席名簿の黒いファイル、ムースでオールバックにしっかりと決めた頭。

「堀田ちゃん、キショい‼」

堀田ちゃんの固めすぎな髪型にブーイング。お前の短いスカートの方がキショいんだよ。と、反抗期な堀田ちゃん。

また堀田ちゃんかぁ~、とわざとがっかりしたそぶりを見せたけど。わたしはこのバカっぽい教師を、この高校で一番信用している。
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