【完】Crescendo 〜恋の大きさ〜
実を言うと、思ってたよりも可愛くて凛としていて、想像以上だった


初めて会ったのが、詩乃がピアノを弾いている所だった


詩乃が弾いているピアノはとても嬉しそうで、聴いてる側も癒されるような演奏だった


でも演奏している曲名を知った時、少し寂しくなった


曲名は愛の悲しみ


クライスラー作曲のこの曲は、愛の喜びと対になってる曲


正直言って僕も、愛の喜びより愛の悲しみの曲想が好きだった


その曲名はまさしく僕に当てはまると思った


それと同時に彼女の傍にいてはいけない


そうも思った


僕の両親は僕が小さい頃に他界している


それからの生活はずっと奏子さんが見ていてくれた


奏子さんには感謝しても仕切れないぐらいだ
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