【完】Crescendo 〜恋の大きさ〜
私は無意識のうちにお母さんに電話をかけていた


どうしても誰かに言ってほしかった


律は大丈夫だと


誰かに助けてほしかった


律のことを



『もしもし?どうしたの?』


「お母さん…………律が…………律が…………」



どうしても律の名を呼んでしまうと、すごく胸が苦しくなる


痛くて張り裂けそうになる



『りっちゃんに何かあったの?』


「…………律が………律が遠くに行っちゃうかもしれないの………。どうすればいいの?」


『…………残念だけど、ドナーが見つかるまでは、私たちは何もできないわ』


「!どうしてドナーのことをお母さんが知ってるの?!」


『りっちゃんがご両親を亡くされてから、りっちゃんのことを育ててたの』


「じゃあ私は、小さい頃に律と会ったことがあるの?」


『そうよ』


「!」
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