【完】Crescendo 〜恋の大きさ〜
「そんなの私だって一緒よ。たった少しとはいえ、一緒に生きて来たんだもの。息子同然の律に死んで欲しくなんかない」


「お母さん……………」


「律の帰りを待ちましょう」


「うん」



早く、帰ってきて


数日経っても律は目を覚まさなかった


大丈夫


そう言い聞かせる毎日だった



「詩乃。りっちゃんの病室変わることになったの」


「律は危険な状態だってこと?」


「違うわ。ちょっとね」


「?」



その時お母さんが何を考えているのか分からなかった



「さっ、ここが新しいりっちゃんのお部屋よ」


「!お母さん!これって………」


「律のために聞かせてあげて」



そこには、1台のピアノが置いてあった


律が寝ているベッドの横に置かれていた
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