【完】Crescendo 〜恋の大きさ〜
律 side
詩乃が寝た頃、奏子さんが病室にやって来た
「律…………良かった」
「すみません。心配をかけてしまって………。迷惑もかけましたし」
「そんなの気にしないの。律が無事だったんだから、それでいいのよ」
やっぱり奏子さんは優しい
詩乃に似ている
「……………律、話があるわ」
「…………話ってなんですか?」
「…………ドナーが見つかっていないそうよ」
「…………そうですか」
「落ち込まないで、律。きっとドナーは見つかるから」
「見つからないですよ。そんな簡単に」
「信じて待っていたら絶対に見つかるわ」
「………それって僕が生きる代わりに誰かに死ねって言ってるのと同じです」
「仕方ない時だってあるわ。希望を捨てないで」
「希望も何も、僕が生きてるぐらいなら、他の人に生きていてほしいだけです」
「律…………あなた」
「僕にドナーは必要ありません」
「何言ってるの?律もあれだけ生きたいって言っていたじゃない」
詩乃が寝た頃、奏子さんが病室にやって来た
「律…………良かった」
「すみません。心配をかけてしまって………。迷惑もかけましたし」
「そんなの気にしないの。律が無事だったんだから、それでいいのよ」
やっぱり奏子さんは優しい
詩乃に似ている
「……………律、話があるわ」
「…………話ってなんですか?」
「…………ドナーが見つかっていないそうよ」
「…………そうですか」
「落ち込まないで、律。きっとドナーは見つかるから」
「見つからないですよ。そんな簡単に」
「信じて待っていたら絶対に見つかるわ」
「………それって僕が生きる代わりに誰かに死ねって言ってるのと同じです」
「仕方ない時だってあるわ。希望を捨てないで」
「希望も何も、僕が生きてるぐらいなら、他の人に生きていてほしいだけです」
「律…………あなた」
「僕にドナーは必要ありません」
「何言ってるの?律もあれだけ生きたいって言っていたじゃない」