月の瞳を持つ少女







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外はもう真っ暗だ







翠と屋上にいた頃にはうっすらとしか見えていなかった星たちも、精一杯その体を光らせている











「おい、詩乃。そろそろ帰るぞ」







翔馬がバイクの鍵を片手に詩乃に呼びかける







でも、詩乃は一向に立とうとしない







「おい、」







「ふふふふ、」






急に詩乃が笑い出した








「今日はね!お泊まりセット持ってきちゃったもんね!!!」









じゃーん!とリュックを机の上に置く








「だから詩乃ちゃん今日荷物が多かったんだ!」






「やったー!お泊りお泊り♪」






「「ねぇ!何して遊ぶ??」」









双子は目を輝かせて詩乃を見つめる








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