月の瞳を持つ少女
今日の目的地は実はここなのだ
『moon light』
このバーの店名だ
木のドアを開けるとカランコロンと音がする
それを聞きつけ店の奥から誰かが慌てて降りてくる
それもそうだろう
店のドアにはしっかりと『CLOSE』の看板が出ていた
昼だというのにバーが開いているはずもないだろう
鍵のしまったこのとびらを私はピッキングして開けたのだ
すると、カウンターに一人、キャラメル色の男が現れる
「あッあれ?店のドア開いてました??すいませんけど、まだ開店前なのでー」
オドオドとした男はたぶんここの店主ではない
「……ここの店主にようがある」
私がそう言うと、急に男の空気が張り詰める