月の瞳を持つ少女





「はっはいっス!」







ヒロが裏口から出ていくのを確認して、彼が私に再び問ふ








「で?俺になんの用なんだ?」








「…………その前に何者なのかと問わないのか? 」








「……お前、俺が情報屋やってること知ってんだろ?
俺の仕事は情報を売ること。てめぇの正体なんか気にしてどうするよ」








彼は表向きはバーの店主







しかし、裏では情報屋をしているのだ







たまに、月華の連中も情報を買いに来るらしいがほかの客と同じように報酬は受け取っているらしい








つまり、月華びいきの情報屋ではないという事だ








だが、私にとっては彼が情報屋だからここへ来た訳では無い











私はズボンのポケットから一枚の写真をとりだす








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