月の瞳を持つ少女
彼が息を呑むのが聞こえる
「……この男をしっているな」
「……はッ知ってるも何も、俺がこの世で1番尊敬し憧れる男だ。」
「ああ、そうだな。
名は狭山 直哉サヤマ ナオヤ
月華の前総長だ。」
そこで、私はマスクを取りフードを脱ぐ
「??!お前、女だったのか?」
彼は少し驚いた声を出すが、私の口から狭山 直哉の名が出たことを思い出し、すぐに私を睨み直す
「狭山 直哉は2年前、彼が17の時にバイク事故でそのまま崖下に転落し、亡くなった。
それを経て、月華の前幹部は皆引退し現月華に世代交代した。
それは元月華幹部であった向坂 郁弥、あんたも例外ではない。」
「ああ、直哉が死んで俺らは月華を辞めた。
あいつの創る月華が俺は好きだった。あいつ以外の下に付くなんてできやしねぇ。
ましてや、俺が月華を創るなんてこともできねぇ。だから、俺たち幹部で話し合った末、総入れ替えしたんだ。
」