月の瞳を持つ少女





柄にもなくビクつく私は、心のどこかで暖人は怒ることはないと思っていたのかもしれない










「暖人、許してあげてよ……」







翠が小さな声で暖人へなげかける







「うるせぇ……







なぁ、月。何してたのか、言えないのか?」





ドキドキドキドキ









鼓動がまるで小動物のように早くなる









嘘を付けばいい。









立美の時みたいに










"あそこ"にいた時みたいに……










なんで、動かないの。











なんで、












何も言えないの…………。







< 160 / 240 >

この作品をシェア

pagetop