月の瞳を持つ少女
柄にもなくビクつく私は、心のどこかで暖人は怒ることはないと思っていたのかもしれない
「暖人、許してあげてよ……」
翠が小さな声で暖人へなげかける
「うるせぇ……
なぁ、月。何してたのか、言えないのか?」
ドキドキドキドキ
鼓動がまるで小動物のように早くなる
嘘を付けばいい。
立美の時みたいに
"あそこ"にいた時みたいに……
なんで、動かないの。
なんで、
何も言えないの…………。