月の瞳を持つ少女
「詩乃、行こう」
「月!ありがとう!」
「私は連れていくだけだから……」
詩乃が辛そうな顔をしていると、私が来なければこんな顔していなかったのかなって考えてしまう。
私はできた人間じゃないから、自己満足でしか行動出来ない
それに、ちょっと他にも用事がある。
詩乃を理由にしているようで、ほんとはそれを言い訳のようにつかっているだけ
だから、ありがとうなんて、言われる資格はないんだ
だけど、目の前で微笑む詩乃に少しだけ救われた気がした。