月の瞳を持つ少女






扉を見つめていると、不意にドアノブが回った








(ッ、誰か来る)









扉の外から現れたのは白衣を着た女性だった









私は身構える







彼女は私を見るなり驚きの表情をし、そのあとニコリと笑った










「起きたのね!…………でもダメじゃない、点滴を抜いちゃ」









(……医者か?、、なんで)









「大丈夫、悪いことはしないわ。点滴も、ただの栄養剤よ
…………ああ、ここは月華の倉庫。私は月華の専属医ってところかしら
あなたが昨日倒れているのをうちの優しすぎる総長様が拾ってきたのよ」







「…………、」







月華……か、









まさか、こんな形で会えるなんて










「ほら、病人はベットに戻る」








「…………、いや、いい」







足にも力が入る。……それに、ここには居られない







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