月の瞳を持つ少女







私はその手を握る







(ッ)








姫を見るとニコニコと私を見つめ返してくる





でも、その態度とは裏腹に、彼女の爪は私の手にくい込む










パッと手を離された時には思いっきり爪のあとが付いていた










「ねね!あなたの名前は??」








詩乃が私の顔を覗きみる







「私は……」








「姫きこえなぁーい。もっと大きな声で話してよねぇ」









その声の鋭さに思わず体がビクつく










「おい、姫華。あんまり強く言うな」












「そーだよー」





「ビックリしてるじゃーん」




暖人や双子が、姫に少し強い口調で言う







「なに?姫がわるいわけぇ?だいたい、暖人なんで知らない女拾ってきたのぉ?」









姫も暖人たちに負けず劣らず言い返す







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