月の瞳を持つ少女




月side







蒼にもらった鍵を片手に倉庫の階段を上る








上りきった先には屋上の扉だと思われるドア








その鍵穴に鍵を差し込む








少し深呼吸をして鍵を回した








鍵はカチャリと音を立てて開く












扉を開くとすぐそこに人影があった








それが翠であることは明白だろう














「…………翠」








翠は振り向かない









フェンスの近くにいる翠は蒼の時と同様に月を見ていた










今日の月は少し欠けていて儚げだった














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