月の瞳を持つ少女
「人の考えていることなんて分からないし、気持ちを読むことだって出来ない。
でも、それは翠だって同じ。翠だって……、蒼だって。
みんな分からない。
だからこそ私という存在があって、翠がいて、蒼がいる。
翠が私と違う存在なように、翠が蒼と同じなわけない」
「僕と蒼は同じだよ!!!!」
翠は俯きながらも私に怒鳴りつける
でも、私はやめない
「同じなわけない。
だって、こんなにもあなたはあなたらしいんだもの」
「ッ」
翠が息を呑むのがわかる
「私が蒼と翠のことを見分けられるのは、翠が蒼の真似をしてるのが分かるから。
翠、あなたは蒼をすごく見てる
蒼と同じにしようと努力してる
ねえ、それはなぜなの?」
翠は下唇を噛む
その瞳は寂しそうで、哀しそうで……
すこし、不安も感じられた