月の瞳を持つ少女







翠はその場に座り込む











「どれだけ真似をしても、僕は蒼にはなれなぃ……」











私は翠を出来るだけ優しく抱きしめた









「翠、それは当たり前




だって、翠は翠なんだから。






私はまだ一週間しかあなた達と一緒にいない。






でも、あなたのいい所を知ってる」









「……え?」







翠は俯いていた顔をあげる








私は翠の頬に手をあてる









「あなたが、蒼のことを愛していることを私は知ってる






月華を愛していることも、」






「んっ」






翠の瞳にはまた涙がたまる







「そして、




あなたが人参が嫌いなこと





甘い物が好きなこと







虫が嫌いなこと






……特に、カマキリはすごく嫌いなこと」








「……ちょ!ちょっとまった!!」






< 96 / 240 >

この作品をシェア

pagetop