月の瞳を持つ少女
翠はその場に座り込む
「どれだけ真似をしても、僕は蒼にはなれなぃ……」
私は翠を出来るだけ優しく抱きしめた
「翠、それは当たり前
だって、翠は翠なんだから。
私はまだ一週間しかあなた達と一緒にいない。
でも、あなたのいい所を知ってる」
「……え?」
翠は俯いていた顔をあげる
私は翠の頬に手をあてる
「あなたが、蒼のことを愛していることを私は知ってる
月華を愛していることも、」
「んっ」
翠の瞳にはまた涙がたまる
「そして、
あなたが人参が嫌いなこと
甘い物が好きなこと
虫が嫌いなこと
……特に、カマキリはすごく嫌いなこと」
「……ちょ!ちょっとまった!!」