彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
今夜は家に帰らなくてよかったので、フェリチータに泊まった。
「うーん・・・どうしよう・・・」
フェリチータ店内の定位置に座り、ノートに書き込んでは消すという作業を繰り返す。
「あら凛ちゃん、お勉強?」
「それなら俺が教えてやろう。」
「それにしちゃ、凛たん教科書ないなー」
「わはははは!エロいことでも書いてんのかよぉ~!?」
「オメーと一緒にすんな、皇助!」
私の周りに集まる先輩方に、キッチンで夕食後の後片付けをしていた瑞希お兄ちゃんが言った。
「役職決めだよ。」
「「「「役職決め?」」」」
「龍星軍四代目総長以外、誰が何するか、まだ決めてなかったんだってよ。」
「「「「まだかよ!?」」」」
〔★初代4名からも、総ツッコミが起きた★〕
「はあ!?凛たん、まだ決めてなかったのか!?」
「わはははは!遅すぎだろう~!?ドラゴンボールと同じ数、そろってるのによぉ~!?」
「凛ちゃんに文句言うのはおやめ!仕方ないわよ・・・いろいろ、トラブルが多すぎたし・・・」
「それは言えるな。しかし、トラブルを制しつつも、両立させるのが総長だ。・・・54点と。」
「いちいち採点しないでください、獅子島さん!」
「そうだぞ、伊織!凛だって、誰をどうするか、だいたいの候補は決まってるはずだ!なぁ?」
「え?ええ・・・」
(だったらいいんだけど・・・・ね。)
実際、誰をどうするかと考えた時、困ってしまった。
(ヤンキー歴からすれば、円城寺君達や可児君、ちーちゃんがいいかもしれないけど・・・)
円城寺君、すぐ怒るから頼みにくいんだよねぇー・・・・
カンナさんも選びたいけど、好きだって誤解されている以上、あまり深くかかわるのもなぁ~
秀君、悠斗君とは、まだそんなに仲良くないし・・・
かと言って、私に好意的すぎる可児君だと、ますます舎弟みたいになってしまいそうだし・・・
ちーちゃんはちーちゃんで、半グレの頭だったけど、半グレと暴走族は違う気がする・・・
ヤマトは頼もしい半面、行動が読めないからなぁ~~~~~
「4人か・・・・」
「あん?もしかして凛・・・・4人しか、選べないと思ってんのか?」
「え?」
私のつぶやきに瑞希お兄ちゃんが反応し、彼の問いかけに私が反応する。