彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「思ってんのかって・・・空席、4つだけじゃないですか?」
「別に増やしてもいいんだぞ。」
「え!?増やす!?」
ただでさえ、少ない人数なのに、増やしていいの!?
「暴走族は、総長と副総長と親衛隊長と特攻隊長と遊撃隊長だけじゃないんですか!?」
「あ~・・・凛には、そこから教えなきゃダメか?」
私の問いに、誰からともなくため息が漏れる。
「違うんですか・・・?」
「違うって言うか・・・族は、星の数ほど全国にあるんだぜ?ルールも、たくさんあっていいだろう?」
「それはそうですが・・・」
「チームによっては、総長を党首って言ったり、副総長を副党首って言ったりするんだよ。」
「ええ!?そうだったんですか!?」
「そうよ~ん!チームの数が多ければ、第一部隊とか、第二部隊とか、名付けたり~」
「特隊を切り込み隊長って呼ぶところもあるからな!わははははは!!」
「やってることは同じだが、それぞれのチームの個性とセンスの違いだぜ、凛たん?」
「個性とセンス・・・・」
「凛。もしも、役職に就けない奴がかわいそうだって思ってんなら、そういう考えは捨てろ。」
「う!?ぼ、僕は別に~・・・」
「顔に出てるぞ?」
図星をつかれて誤魔化すが、初代総長はお見通しだった。
「凛の周りの、凛の龍星軍の奴らは、龍星軍で遊びたい奴らばっかりだ。なによりも、凛つながりで終結したメンツだ。」
「呼びよせたつもりはないのですが・・・・」
「そうだとしても、結果的にそうだろう?」
「そ、そうですが・・・・」
「だったらなおさら、凛が決めろ。龍星軍の頭は凛なんだから、凛が好きにしていい。初代の言うこともだが・・・今の龍星軍で一番強い発言権があるのは、4代目総長の言うこと。それが絶対命令だ。」
「お兄ちゃん・・・」
「まぁ・・・・俺が増やすとしたら、親衛隊補佐とか新しく作るかな?凛は、危なっかしいからよ?」
「『補佐』、ですか?」
「誰をどう組ませるかも、ちゃんと考えろ。いつもつるんでるメンバー同士だと、爆裂弾ばっかだと、他の奴らがなじめないからな?」
「そう・・・ですね・・・」
「しっかり悩め。」
「はい。」
手を伸ばし、よしよしと私の頭をなでながら言う初代総長。
それで、あっちこっちへとフラフラしていた思考も定まった。