彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
(役職の割り振りもだけど、組み合わせかぁ・・・)
書いたり消したりしたノートに丸を書く。
そこに爆裂弾メンバーの名前を書く。
その丸と重なるように、また丸を書く。
その中に、東山高校の学生の名前を書く。
その隣にまた丸を書く。
今度はあゆみが丘学園、次にJAGUARと書き込んでみる。
(新しく作っていいなら、バランスよく・・・!)
「瑞希・・・」
「ああ・・・。」
俺の言葉が何かのヒントになったのか、凛のペンを走らせる動きが変わる。
消したりかいたりしていた動きが、書き込みだけに変わる。
「立候補か、くじ引きさせればいいのによぉ~」
「それは『俺ら』の龍星軍の話だ。今は凛の龍星軍だから、凛のやりたいようにやらせればいい。」
「さよーですか。」
時々、伊織やモニカからアドバイスを受けながら、皇助に邪魔されながらも一生懸命考える凛が可愛い。
愛しいと思う。
(凛だけには、家族愛ってもんを、俺が教えてやらなきゃ・・・・)
“あんたと陽翔は違う!だって、あんたは―――――――――・・・・・!!”
「・・・・凛は・・・俺の大事なもんのだ・・・なくしちゃならねぇぐれー大事な・・・」
「そうだな・・・。」
ひとり言のつもりだったが、烈司が返事をしてきた。
ハッとして相手を見れば、短くなったタバコを灰皿に入れているところだった。
「みーんなの、大事だぜ?」
「・・・ああ・・・。」
思い出した苦みと、烈司の優しさにそっけなくつぶやく。
情けない顔を見られたくなくて、いっぱいになった灰皿を手に取る。
キッチンの奥へと向かう。
後ろから聞こえてくる凛の声を聞きながら、この子だけは・・・・・・・・と、思った。