彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





カタカタと、キーボードの音が響く。

機械音がする室内で、今日も円城寺君は怖い顔をしている。





「凛道・・・ヤンキー、ヤクザ、半グレときて、なんで忍者なんだよ・・・!?」

「僕が聞きたいです。」

「円城寺、それぐらいにしてやれ。」





忍者集団から襲撃をうけた1時間後。

フェリチータには龍星軍の仲間達が集まっていた。

初代&現役メンバーと一般人を含めて総勢十数名。





「凛君、大丈夫?」

「平気だよ、涼子ちゃん」





そこには、成り行きで一緒に連れてきてしまった涼子ちゃんも含まれている。





「あたし許せなぁーい!」

「犯人半殺しじゃなきゃすまねぇかも・・・」

「俺も容赦はせん。」

「わはははは!凛助の仇討ちだな!」

「み、みなさん・・・・!」





私の負傷を知り、口々に言って下さる初代龍星軍の先輩方。





(私のためにそこまで・・・・!)





と感動したけど、




「凛ちゃんてば、モニカちゃんというものがありながら、高千穂ちゃんばかりか、小林ちゃんにまで手を出してぇ~!!」

「俺が凛たんのために作ったブレスレットを壊しやがって・・・!あれ作るのに、どれだけ金と手間がかかったか!」

「大学のレポートをせねばならんというのに・・・・!」

「わはははは!喧嘩のチャンスだな!」

「って、心配はなしですか!?」



〔★自分の都合で怒っていた★〕



「心配してないわけないだろう、凛!?」

「そうですよ、凛さん!」

「カンナさん、可児君。」





ツッコミを入れる私に、そんなことはないと言ってくれたのは現役龍星軍メンバー。





「大勢で1人をってのも気にくわねぇのに、あぶねぇドラックを使って凛の動きを止めやがったのが許せねぇ!」

「しかも、パンピー女まで巻き込みやがって!!硬派の風上にも風下にも置けねぇぞ!」

「高千穂と可児の言う通りだ。」

「瑞希お兄ちゃん。」





2人の意見を聞き、私の隣にいた瑞希お兄ちゃんがつぶやく。





「つーても、凛に気合が足りなかったのもの事実だ。」

「お、お兄ちゃん!?」

「龍星軍の総長だと・・・・族の頭だって忘れんなよ?オメーの負けは、チームの看板に、メンツにかかわる。仲間に恥かかせるなよ?最近、連勝で気がゆるんでたとも言いきれねぇからな。」

「すみません・・・」





言われてみればそうかも・・・・





(怪我はしちゃうし、敵には逃げられちゃうし、瑞希お兄ちゃんに逃がしてもらったわけだから・・・)



〔★いいとこなしだ★〕



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