彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「じゃあ、手掛かりなしですか・・・・」
「そうでもねぇーぜ。」
「ウェイウェイウェイ!真田せんぱぁぃの言う通―り!!『手掛かりはない』は余計だぜ、リンリン!?」
カタカタカタ、ターンッ!!
瑞希お兄ちゃんの声に続き、陽気な声とリズミカルなタッピングの音が響く。
「真田せんぱぁぃ、リンリン、わかったよぉ♪」
そう言って、パソコン画面をこちらにむけるのは赤い髪の美男子。
「わかったって、ちーちゃん・・・・?」
「忍者の正体♪」
イエーイ♪と舌を出しながらピースする、元・日本最大のナンバーワン半グレ組織のリーダーのチャラオ。
「パソコン叩いたらビンゴ系!」
「叩き込んで教えてのは、俺だがな。」
「獅子島さん!?」
「やっと見つけたか、幡随院?」
「ウェイ!見つかったであります、鬼軍曹!」
獅子島さんの言葉に、椅子に座ったままビシッ!と敬礼するちーちゃん。
「軍曹!?」
しかも『鬼』つきなだけでも、ちーちゃんが怒られないかハラハラしたのに―――――
「誰が軍曹だ?せめて、大都督(だいととく)と呼べ。」
「イエッサー!!」
「軍隊ですか!?」
私の知らないところで、2人が親密になっていたことに驚いた。
〔★立派な上下関係が出来ていた★〕
「見て見て、リンリン、大都督的な獅子島せんぱぁぃ♪イケイケ系でしょう~!?」
ボー然とする私を、シッポを振る犬みたいにテンションの高い声で呼ぶちーちゃん。
「え?いったい何が・・・?」
「ウェイウェイウェイ!俺の神的センスってやつだよぉ~」
「ふむ・・・・やはり、パスワード制の裏サイトか。」
にぎやかなちーちゃんをスルーして、画面をノゾキながら獅子島さんがつぶやく。
「裏サイト?」
それで思わず、獅子島さんの言った言葉を聞き返した。