彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「凛。ここ、見てみろ。」
「え・・・?」
そう言いながらスクロールした画面を見て、目を疑う。
「これ・・・!?」
「ぼやけた写真だが、凛だろう?」
「僕だ!!?」
ブレた写真だが、間違いなく、凛道蓮の時の姿の私。
加工された画像の頭の上にWANTEDと表示されている。
下に表示された【凛道蓮(りんどうれん)】の文字の後に続く数字は―――――・・・・!
「よ、4が8つ並んでるんですけど・・・・・!?」
「つまり、お前の賞金金額は44,444,444円だ、凛。」
「「「「「「「「「ええええええええええええええ!?」」」」」」」」」
「ぼ、僕が四千万越え!?」
「しかも、下ケタの端数まで全部4となりゃ・・・」
「凛たん、相当恨まれてるな・・・・」
「僕が何したって言うんですか!!?」
〔★本人に自覚はないようだ★〕
「凛、お前や俺達が見た忍者、『軒猿』と名乗ったんだろう?」
「そうですが?」
「俺も伊織から聞いたばっかなんだが、その軒猿ってのは、このサイトの常連らしい。」
「常連!?このサイトの関係者なんですか!?」
「正確には参加者だ。」
「獅子島さん。」
スマホをいじりながら、初代龍星軍の参謀は言う。
「凛道の話から、もしやとは思っていた。最近、忍者姿で仕事をする腕の立つルーキーが出没していると聞いたのでな。」
「仕事?」
「金を払えば、憎い相手に仕置きをしてくれるとネットでは有名なヒーローらしい。」
「ヒーローが人の片腕を使えなくしますか?」
「俺達の立ち位置が、暴走族という『悪』だからだろう。奴がターゲットにするのはそういう種類だ。」
「それはそうかもしれませんけど!」
「大勢の目の前で犯行におおよんだのも、奴が言った通り『証人』がほしかったんだろう。凛道蓮がやられるという。」
「つまり、それが賞金を手に入れるための条件の一つってことね?」
「わははははは!面白くなってきたぜ!!」
「どこがですっ!!?」
呆然とする現役メンバーをよそに、初代メンバーはまだ余裕がある。