彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「こっちも見ろ。」
そう言って、画面の一部を指さす瑞希お兄ちゃん。
「あ!?『注意事項』」
「そうだ。」
彼のうるわしい唇が、その文面を読み上げてくれた。
「『この金額報酬は、生きて連れてきた場合の値段です。顔の破損や指の欠損はセーフとみなします。見た目が綺麗な状態で、無傷で連れてきた方には、追加で数百万上乗せして買い取ります。』だとよ・・・」
「僕は古本屋の本ですかー!?」
〔★ご親切な買取説明だ★〕
「誰がこんなひどいことを!?」
「サイトの主催者だろう。」
「瑞希お兄ちゃん。」
「つーか、他に見てる奴がいたらヤバいっすよ、真田先輩!忍者以外も襲ってくるんじゃないっすか?」
「不吉なこと言わないでください、カンナさん!」
「ウェイウェイウェイ!だったら~こっちで処理しちゃう系?サイトが開設されてから、まだ10日ぐらいだよ~ん!拡散されちゃう前にぃ、削除しちゃう系?俺やっちゃおうか~?リンリン&初代総長様&獅子島大司馬(だいしば)様~?」
「早まるな。下手に削除すれば、敵に警戒されてしまう。」
「大司馬(だいしば)はあなたのことですか、獅子島さん!?てか、大提督じゃなかったの!?」
「ウェイウェイウェイ!三國無双のゲームでは~大司馬(だいしば)が一番偉いんだよぉ~リンリン♪」
「今話してるのは、現実世界の話です!」
〔★その割には、現実離れしている★〕
「消しましょうよ、こんなサイト!僕もですが、他のみんなも狙われます!」
「それはパスだ、凛。」
「瑞希お兄ちゃん!?」
防犯的なことを提案すれば、なぜか却下してくる好きな人。
「情報を取るためにも、泳がせて、様子を見る必要がある・・・。」
「情報を・・・ですか?」
「軒猿とか言いやがったか・・・・もしかしたら、海中で凛の両足を引っ張ったのもそいつかもしれねぇからな。」
「え!?生きてる人でしたか!?」
しかも犯人なんて―――――!?
瑞希お兄ちゃんの言葉に初代メンバーもうなずく。