彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「な、なんで百鬼さんが!?」
「凛君、よく知らないけど・・・あの人、逆恨みされるような人なんですか?」
「そんな!恨まれるようなことなんて~」
涼子ちゃんの言葉に、今までの百鬼さんを思い出す。
その上で断言した。
「うん!!1000%、恨まれるようなことしてそう!!」
「そんなに!?」
〔★凛は否定をキャンセルした★〕
付き合いは瑞希お兄ちゃんほどじゃないけど、そうとしか思えない思い出が多い。
(むしろ、心当たりが多すぎるっ!!)
「良くも悪くも・・・恨まれてそうです・・・学生時代、いじめっ子撃退も、派手にしていたそうですから・・・」
「ああ、獅子島さんとナイスプレーを見せたイジメ撲滅伝説かよ?」
「カンナさん、ご存じなんですか!?」
「つーか、龍星軍を意識してる奴らなら、誰でも知ってて当然の常識だぞ?大丈夫か?」
「真顔で言われると傷つくんですけど・・・・」
・・・・そこまで有名なんだ。
〔★すごい武勇伝だ★〕
「でもそうなると、獅子島先輩も狙われてるかもな。」
「ええ!?瑞希お兄ちゃんがまたピンチ!?」
「真田先輩は、俺が守る!」
「僕も!瑞希お兄ちゃんをお守りしますっ!」
「って、俺の心配だけかよお前ら。」
「み、瑞希お兄ちゃん!?」
「瑞希先輩!?」
そう言って現れたのは、私と円城寺君が名前を上げた人。
「そこは伊織の心配してやれよ~?」
「す、すみません!それよりどうしたんですか!?お勉強は!?」
「眠気覚ましに、飲み物取りにきたんだよ。なんだよぉ・・・・皇助、『ここにも』のってるのか~」
「え?」
はぁ~とため息をつくと、頭をかく好きな人。
「『ここにも』って、お兄ちゃん・・・」
「俺らの時も、皇助は特別扱いでな~この頃の写真を使ってるってことは・・・・伊織め、あの時、削除してなかったか。」
ぶつぶつ文句を言うと、画面へと手を伸ばす。
「心配しなくても、俺達はもちろん、皇助は特に平気だ。」
「そんな!いくら百鬼さんが喧嘩好きとはいえ、放置するにはほどがありますよ。」
「ぶっ!!あははは!凛は優しいなぁ~よく見てみろよ。」
大口あげて爆笑すると、画面の下の方を指さす愛しいお方。
プルンとしたやわらかそうな口が、楽しそうに言葉をつむぐ。