彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「こいつは捕獲禁止対象だ・・・。」

「捕獲禁止?」







全員で声をそろえて、瑞希お兄ちゃんの指先を見る。

そこには、赤い文字で大きく記されていた。







―超危険につき、捕獲禁止!!―





「あ!?本当だ!捕獲禁止って掲示されてる!」





それだけじゃない。






「『この顔に、ピンときたら逃げましょう』ってあるんですけど!?」



〔★110番ではないらしい★〕



「あーはっはっはっ!マジウケる!このサイト作った奴、ぜってぇ皇助からひでーめにあってるぞ~!これなら、凛達も大丈夫だな~♪頑張れよ?」

「あ・・・」





そう言って私の頭をなでると、キッチンへ入る瑞希お兄ちゃん。

冷蔵庫から作り置きのコーヒーを出すと、鼻歌まじりで自分の部屋へと戻って行った。





「・・・・・・・凛さん。」

「うん、言わなくてもわかる。」





捕縛禁止って。

マジウケするって。

大丈夫って・・・・



(あなた方はいいかもしれないけど、私達もそうとは限らないのでは・・・・?)





「百鬼さん、なにしたんだろう・・・・」


(ロクでもない想像しかできない・・・・)





〔★そういうことをしたのだろう★〕



「とりあえず・・・今後の対策はどうします、凛さん?円城寺の意見を採用する気ですか?」

「そうですね・・・円城寺君、すぐ怒るから。」

「聞えてんぞ!つーか、今のしらけた!勝手にしやがれ!」

「では、勝手にしますね。」





瑞希お兄ちゃんがいることで大人しくなる円城寺君。

それで好きな人の偉大さを痛感しながら言った。





「まず、ちーちゃんにはこのままサイトの監視を続けてもらっています。」

「オッケー♪」

「次に、他のみんなは、絶対に1人で行動しないでください。学校も同じなんですから、常に一緒にいて下さいね?」

「けっ!東山高校は学校同士でつるめって?」

「それじゃあ、凛君はどうすんだ?」

「僕はあぶれ者同士、ヤマトと行動します。」

(学校も同じだもんね。)



〔★言えない共通点だ★〕



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