彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)




「獅子島様!それに皆様もおやめください!凛道様が怖がってるじゃないですか?」

「わーん、女将さーん!」





助けてくれそうな人がいたので、荷物を放置してその背後に逃げこむ。





「ああ、よしよし、かわいそうに。」

「女将!我が家のことに口出しをされては困るぞ!?」

「凛ちゃん、モニカちゃん、怖くないよぉ~帰っておいでぇ~」

「わはははは!熟女の色気たっぷりの女将に泣きつくとは~好きもんだなぁ~凛助ぇ~!?」

「凛をテメーと一緒にするな、ボケ!り、凛、悪かった!喧嘩しねぇから・・・なぁ?」

「そうそう・・・しゃーねぇーからここは、平和的に凛たんの希望を優先しますか?」

「ぼ、僕の希望?」


「瑞希が良いんだろう?」

「っ!?」





烈司さんの言葉に顔が熱くなる。

図星と、罪悪感と、胸の高鳴りが混ざり合う。





「烈司。」

「譲ってやるよ、瑞希。じゃんけんやくじびきだと、俺にしかならないからなぁ~?」


「れ、烈司さん・・・・!」



(なんて良い人なの・・・!!)





そんな私の気持ちが顔に出ていたのかもしれない。





「そ、それなら、モニカちゃんだってみーちゃんに譲るわよ!善意だからね、善意!」




何かに気づいたように、モニカちゃんが叫ぶ。




「チッ!・・・女将、部屋割りは変更だ。瑞希と凛道を一緒にしてくれ。これも善意だ。」




続けざまに、いまいましそうに、獅子島さんが言う。




「わははははは!」





最後に百鬼が笑ってしめる。





「その代わり、2人きりにならないように邪魔しに行くからなぁ~・・・!?俺様からの善意・・・!!」

「あなただけは絶対違うでしょう、百鬼さーん!!」



〔★そういう顔をしている★〕





こうして、私と瑞希お兄ちゃんは同じ部屋になれた。



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